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2008年5月30日 (金)

船場吉兆 廃業

 食品偽装表示などが問題になり、民事再生手続き中の船場吉兆が廃業を発表した。

船場吉兆、廃業届を提出

■負債9億円

 廃業を決めた料亭「船場吉兆」(大阪市)は28日、最終的な負債額が9億円に上る見通しであることを明らかにした。大阪地裁からこの日、民事再生手続きの廃止決定と保全管理命令を受けたといい、早ければ来月中旬にも破産手続きに入る。船場吉兆は同日午後、大阪市に廃業届を提出し、営業許可証も返還した。

 同社の代理人弁護士らによると、営業再開後の1~4月は予約が上向いていたが、料理の使い回しが発覚した今月上旬以降、客足が休業前の3分の1に激減し、業績が急速に悪化。その結果、負債額が、民事再生法適用の申請時より1億円増える見込みになった。

 一方、同社はこの日、全従業員を解雇。従業員の再就職先については、吉兆グループ各社に支援を求める予定はないという。

■キャンセル相次ぎ、「使い回しの傷深かった」と

 「(営業再開以降)日にちを重ねるに従ってご理解を得られるようになり、予約状況も上向いていたのに」。再建への途上で廃業を決めた料亭「船場吉兆」の女将(おかみ)、湯木佐知子社長(71)は28日に大阪市内で開いた記者会見で無念の表情を浮かべた。新たに発覚した料理の使い回し問題については、自らは「知らなかった」と強調したが、歯切れの悪さはぬぐえなかった。

 廃業を決意した理由について、佐知子社長は「使い回しの発覚後、山から転げ落ちるようにキャンセルが相次いだ。『今は(使い回しは)していないので、ご来店ください』とお客様を回らせていただいたが、傷は深かった」と、時折むせび泣きながら説明した。

 吉兆創業者の湯木貞一氏(1901~97年)が1男4女にのれん分けする形で五つの営業会社に分社化した吉兆グループ。他の4社へは、27日夕に代理人弁護士が廃業を伝えたという。

 会見で「当社の不始末で、グループ4社にも多大なご迷惑をおかけし、深くおわびしたい」と頭を下げた佐知子社長は、同日夜に自ら各社の幹部に電話したことに触れ、「東京(吉兆)の姉と、神戸(吉兆)の妹からは『一生懸命に頑張ってきたね。体に気を付けて』と優しい言葉をかけられた」と声を詰まらせた。

 一方、客が食べ残した料理の使い回しが新たにアワビ、たたみいわし、このわた、枝豆、ゼリーなどの計8品目で発覚したのを受け、「女将は本当に知らなかったのか」との質問が集中。佐知子社長は「お膳(ぜん)が下がってきたら調理場の者が仕分けをしていたのは見ていた」としたが、「それがお客さんに戻っていたかは、全然知らなかった」と強調した。

 本店では28日朝、佐知子社長から廃業や解雇が従業員に伝えられ、涙を流す者もいたという。同日夕、本店で片付けをしていた男性従業員は「(決定に)従うしかない。社長は一生懸命頑張ってくれた」と言葉少な。「就職口が決まったら教えて」と同僚と会話していた別の若い男性従業員は「今は逆にすっきりした気持ち」と、さばさばした表情で店を出た。

<引用元:2008年5月29日 読売新聞

 引用が長くなってしまったが、一度きりとはいえ足を運んだコトがあり、その味に感じ入った身としては、やはり複雑な思いがある。
 実家や親戚に飲食店を持つ身としては、仕入れた材料を如何に上手に使いきっていくか、経営者側の苦労を身に沁みてよく知っているが、ひとたびお客さんに出したものを再利用しているという話にはショックを受けた。作る側がお客さんが箸をつけなかった料理の味を確かめることはあっても、形を変えたりとはいえ、それを再びお客さんに供するというのはとんでもないコトだ。ましてや、その味や格式でそれなりの代価を貰い受けている店なら、そののれんにかけても決してやってはならないコトだ。
 そう思ったのはワタシだけではなく、「使い回しの発覚後、山から転げ落ちるようにキャンセルが相次いだ」との、社長の言にもあるように、テキメンにお客さんに波及し、店の味や格式への信頼が失われた結果、見事に廃業へと転落していった。

 この話しは食べ物商売だけに限らない。危機に際してタカを括ってしまうコトがどれほど危ういコトか、自らの仕事に対する信頼を失うコトがどれほど恐ろしいコトか、考えさせられるニュースだった。

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コメント

最初の別ブランドの牛を偽って出していた件なら、品質がしっかりしていればそこまでの事ではなかったかもしれない。
しかし、食べ残しを出したというのは、食べ物屋として致命的でしょうな。

投稿: Y.NAO | 2008年5月30日 (金) 00時48分

客商売としては、ホント致命的ですね。
「もったいない」というコトとは、
次元が違います。

牛肉の産地偽装が発覚したあとも
客足はそれほど変わらなかったらしいんですが、
食べ残し料理の使い回しがバレてからは、
常連客も離れ、1日の売上げが10分の1に減少し、
それが廃業の決定打になったようです。

投稿: たて@もの喰うひと | 2008年5月31日 (土) 10時40分

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